2015/08/13

ちょっといっぷく・・・【美味しさと価格】

 

 1本だけ分けてもらった・・・竹鶴25年


豪華な箱に入っているザ・洋酒という風体が今となるととても新鮮


で、お値段はというと・・・50,000円、税抜!


お話を頂いたので、業務用のお客様に話を持っていき、


お買い上げ頂くことになったのでお願いして入荷してきた代物


本来であれば、写真の25年物なんていうのは、そんなに需要があるはずもなく、


ご贈答やスペシャルなシーンに珍重されることを予定して、製造本数だってしれているでしょう
  

ところが、この”流行”のお蔭で、このヴィンテージの商品自体の存続すら疑問に思っています


ヴィンテージの原酒はやはり数に限りは当然ながらあるもの


年間予定数量以上に需要があり、需要に対して素直に出荷をしていくと・・・


そして、誰もが一番気になるのが実際の味わいでしょう


商品としてお買い上げ頂くのに50,000円ですから、


高級スナックやクラブで飲むと、二桁”万”になっても全く不思議じゃない


それに、入荷したお店でさえ、売れたらすぐに商品が入荷してくるわけでもないとなると、


ご利用頂くお客様の心をクスグルのは間違いない


この辺りの価格帯の代物になってくると、美味しさはもちろんのこと、


それ以上にそれまでのストーリーが何よりの付加価値になり、プラスアルファの味わいになる


『一度でいいから飲んでみたいよね』


『どんな味がするんだろう?』


『飲む人はどんな人なんだろう?』


高級車だってそうですよね?


形がいい、スタイルが好き、走りがいい、乗り心地が・・・


といろんなありきたりの表現をしては見るものの、


実際のところ、高級車に乗っている、所有しているというステイタスが


何よりオーナーの気持ちをクスグリ、価格と価値のバランスを保っているはず


好みのスタイルの車なら他にも探せばあるはず


乗り心地の良さだって、他にも引けを取らない車はあるはず


なのに、その車を選んだということは・・・ですよね


高級ウイスキーも価格を裏打ちする美味しさは、実際に口にする”美味しさ”ではなく


そのウイスキーをキープしている、飲んでいるという事実、それが何よりの”美味しさ”なんです


50,000円のウイスキー、原価を含めて、様々な経費を積み重ねた結果に


この価格が設定されているのでしょう


だけど、購入検討する消費者にとっての価格の内訳はというと、


① ウイスキーの中身10,000円
② このウイスキーを購入する時のワクワク感20,000円
③ このウイスキーを飲んでいるという満足感20,000円

①+②+③=50,000円・・・なんじゃないかな(笑)


それに、これなら納得なんじゃないかな


さて、この25年物を納入するお店、果たしてお客様にいくらのお値段で提供するのかな?


北海道の片田舎だし、二桁”万”なんてつけるのかな・・・ワクワク ♪

2015/08/01

ちょっといっぷく・・・【暑い夏の風情はどこへ・・・】



当店の地元でさえ、海の日の連休を境に本格的暑さがやってきました


テレビを見ても、猛暑、熱中症、記録的・・・なんて言葉のオンパレード


先日もお客さんと話していたのですが、


30年以上も前の自分たちの子供時分、熱中症なんて言葉聞いたことなかったよねってね


猛暑日なんて言葉も、子供の頃に聞いた覚えがないし、


いろんなことが変わってきているのは、こんなことを取り上げてもよくわかります


でももちろん変わらないものも沢山あるのですが、


そんな夏の風物詩もそれ自体、またはそれを取り巻く環境が残念ながら変化しています


写真の画像、美味しそうですよね、そうです、ウナギです!


夏は特にですが、見ているだけで美味しいそうですし、食べたら元気になりそうな気がしますよね


でも最近、スーパーやコンビニへ行くと、ウナギが置いてあるはずの場所に


さんまの蒲焼や、アナゴの蒲焼が置いてあることを目にするようになりました


ウナギは確かに昔から庶民の高嶺の花、だからせめて夏、土用の丑の日位はと思ったものです


それが、近年、ウナギの量が激減して価格が高騰したこともあり、より高嶺の花になったのですが


その需要を取り込もうと、さんまやアナゴの蒲焼を売るお店が・・・


ダメじゃないんですよ、ダメじゃ、ただ、ウナギが食べたいんですよ


でもね、さんまやアナゴがウナギを変えない消費者からの需要があるようです


つまり、夏だから雰囲気だけでも蒲焼を食べたいという需要がほとんどだということなんですよね


数年度には土用の丑の日は【蒲焼】を食べよう!みたいなフレーズが聞こえてくるのかな?


そういえば今年まだウナギ食べてないな~・・・友達と1匹の蒲焼、シェアしちゃおうっかなぁ(笑)


例えば、かき氷だって、子供たちも気軽にお小遣いを握りしめて食べられるものだったはずが、


昨日テレビで見たかき氷は1,000円を握りしめないと口に出来ない代物がありました


かき氷を持ちながら食べても汚れない、こぼさないで済む容器まで目にしました


持っている手が冷たい!といいつつ、サクサクいい音をさせながらシロップと氷を上手に混ぜて、


ゆっくり食べていたら、手や口が汚れて、親の手を煩わさせている様子をよく目にしたものです


お酒だってそう!


焼酎や日本酒に、夏用、夏向けなんて目的付をしたアイテムはありませんでした


つまり焼酎は暑い日は冷たくして飲むし、寒くなれば温かくして飲むし、


日本酒も同様に、季節を問わず、上手に好みのお酒を楽しんだものなんです


それがご家庭や飲食店さんも季節を問わず、全天候型になってきました


夏はエアコンが利いて、冬は暖房が利いて、屋内にいる限り、いつも快適な環境を維持できるように


そうなると、商品自体から、季節を演出しなければなくなってきました


飲み方も、季節に応じたものではなく、好みの問題に


だから、夏と言えばビール!という代名詞が普通に根付いたんでしょうね


屋内にいても、冷たくして飲むものだし、暑い夏の日に屋外にいたら、あの冷たさはクセになりますものね


こんな風に、いろんなシーンで暑い夏の風情が昔のそもそものそれとは変わっています


是非、少し立ち止まって、子供の頃の幸せな記憶を思い出してみて下さい


そんな素直な記憶をお手本にして、立派に暑い夏をダイレクトに楽しんでみませんか?


だからといって、服を着たまま水に飛び込むなんてやめて下さいね


大人がやると迷惑ですし、行政のお世話になるかもしれませんからね


それに、暑い日の子供のみたいな恰好で、家から出ちゃだめですよ、わかりますよね(笑)


風情を楽しむために、出来ることは是非原点回帰して楽しんでみて下さいね